新年度です

平成29年度がスタートしました。

弊社にとっては設立4年目の春です。

ここまで大きな事故もなく、たくさんの子ども達の人生にかかわらせて頂けたことを、心から嬉しく思います。

これまで弊社で働いてくれたスタッフ、地域の関係機関の皆様、ご家族の皆様、そして何より子ども達に深く感謝いたします。

さて、今年度は入間豊岡教室の立ち上げのほか、新たに9人もの新スタッフを迎えることとなりました。

新スタッフは、臨床心理士・作業療法士・保育士・児童指導員・社会福祉士などです。

資格だけでなく、人柄もとても良い人たちが来てくれて、代表としてとても嬉しく思っています。

さっそく療育が始まっていますが、皆本当にセンスがあるなぁ、と感心しながら見ています。

ほぼ全員が、専門資格を持つだけでなく児童・障害関係の職務経験者です。

しかし、実際子ども達と相対すると、資格や経験よりもセンスがものを言います。

「センス」というと漠然とした物言いですが、具体的且つ専門的に言うと「子どもの行動を手がかり(弁別刺激)として、自分の行動のありよう(機能・型・頻度・流暢性等)を調整することができる」人のことを、私は「療育のセンスがある人」と定義しています。

ちなみに私の新人時代(約20年前)は、全く療育のセンスがない若者でした(苦笑)。

子どもとかみ合わない、子どもに振り回されるような人でした。

当時は、必死にやっていたつもりですが、今考えてみると、子どものことをよく見ていなかったのだと思います。

当時の私は、応用行動分析学(ABA)の勉強に夢中になっており、子どもの行動や人生よりも学術的知識に興味があったのだと思います。

さらに、ABAの要素を取り入れた療育機関の草分けである安田生命社会事業団(現 明治安田こころの健康財団)子ども療育相談センターで研修生をさせて頂いていましたが、そこのベテランの先生方の実践を拝見していると、本当にスムーズでポジティブなやり取りがたくさん成立していたので、当時の私はABAの勉強をたくさんすれば、そうしたやり取りができるようになる、と思い込んでしまっていました。

今思えば、その研修時に私が見なければならなかったのは、子どもの行動と先生の行動の相互作用(やり取り)だったのですが、私が必死に見ていたのは先生の技術とその背景にあるABAの知見ばかりで、子どもの行動はあまりよく見ていませんでした。

そのような傾向が定着してしまえば、当然いざ子どもと相対したときにかみ合うわけがありません。振り回されもします。

その後、入職した国立秩父学園(現 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局秩父学園)では、ABAだけでなくTEACCHプログラムやPECS等、様々な方法論を学ぶ機会を頂き、また幼児期から成人期まで、さらに知的に高い方からゆっくりな方まで、何百人という発達に個性のある方々とかかわる機会を頂きました。

そのようにして場数を踏む中で、一つの方法論に固執することの非効率さと、そんなことよりもまず目の前の子どもとのかかわりを成立させる必要性を痛感するうちに、理論よりも目の前の子どもの行動を手がかりとして自分の行動を調整することの重要性を学びました。

このように私が10年20年かけて、何百人の子ども達と、あーでもないこーでもないと試行錯誤してやっと身につけた実践家としての姿勢を、今回の新人スタッフはさらっと披露してくれています。

こうした現実を目の当たりにすると「センスだなぁ」としか言いようがないのです。

そういうわけで今回、新スタッフに担当が変更になったご家族の皆様には、全くご心配いただかなくて大丈夫です。

むしろ、こうしたセンスのある人々は、様々なことを器用にできてしまうがゆえに、必死で学んだり自分を振り返って反省したり修正したりする必要がなく、結果として理論や専門的知識・技術、時にビジネスマナーや組織人としての振舞い方などの習得が遅れることがあります。

才能と障害は常に紙一重です。

新スタッフの皆さんはぜひそのことを心にとどめてもらい、この先も初心を忘れず、仕事を楽しみつつも自己研鑽に励んでもらいたいと思っています。
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(入社式の様子)